万博で描かれた未来と訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーション2025年10月16日

10月13日、秋晴れの空のもと、熱気と希望に満ち溢れた大阪・関西万博が幕を閉じました。
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
 

会場には世界各国のパビリオンが並び、圧巻の大屋根リングのもとで、多くの来場者が「異国の生活」「未来の暮らし」を体験しました。AI技術や介護ロボット、健康を支えるサービスなど、最先端のヘルスケアも紹介され、誰もが未来を身近に感じられる場となりました。 

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大阪ヘルスケアパビリオンでは、「25年後の自分との出会い、未来の健康と暮らし」の体験が話題になっていました。睡眠を自動で記録するベッド、排泄物を分析するトイレ、医療スタッフと画面越しに話せる"スマートミラー"など、生活の中に医療や健康管理が溶け込んだ新しい形を体験することができました。 
「いつもそばで健康を見守ってくれる」そんな未来を感じると同時に、在宅医療や介護を支えるセラピストとして、もっと安心できる暮らしを届けたいと強く思いました。 

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訪問リハビリからはじめる"未来の健康" 

訪問リハビリの現場でも、テクノロジーが活用されています。 
その一つが「非接触型睡眠センサー」です。ヨガマットのような薄いセンサーをベッドや布団の下に敷くだけで、呼吸・心拍・寝返り・起き上がり・離床といった体の動きを自動で検知し、クリニックで遠隔モニタリングすることができます。利用者さんに負担をかけずに24時間データを記録・共有できるため、訪問リハビリでの評価や支援に役立っています。 

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活動と休息状況を見える化  

訪問リハビリでは、ご自宅を訪問できる時間や回数に限りがあるため、私たちセラピストが直接、見られるのは、訪問している間の限られた時間だけです。そのため、実際の生活の中で「どのように体を動かし、どのように休んでいるのか」までは把握が難しいという課題がありました。そこで、非接触型睡眠センサーを活用することで、訪問リハビリだけでは見えにくかった「日常生活の活動と休息のリズム」を、データとして把握できるようになりました。 

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このセンサー情報をもとに、一人ひとりに合わせた運動量やリハビリ内容を考える際の参考にしています。 例えば、呼吸器疾患のある方で、活動後の呼吸数が落ち着きにくいことが分かれば、呼吸が楽になる動作方法を提案することができます。 
独居高齢で生活状況を把握しにくい方でも、休息と活動のリズムを客観的に把握した上で、個人の生活状況に合ったサポートをすることができます。 
さらに、重度の心疾患をお持ちの方では、運動の負荷量に注意が必要です。訪問リハビリ中はセラピストが呼吸や脈拍を確認しながら運動指導を行い、リハビリ後の生活でのデータも確認できるため、「運動が体に負担になりすぎていないか」を遠隔からチェックすることが可能です。 
センサーからの情報をもとにリハビリ内容や活動量を調整することで、限られた訪問回数の中でも効果と安心を両立できます。特に、呼吸や脈拍のモニタリングが必要な方や休養と活動のリズムを把握する必要がある方に活かせるテクノロジーです。 

 

万博で描かれた"未来の健康社会"は、決して遠い話ではありません。 
すでに当院でも非接触型睡眠センサーやオンラインでリンクするデジタル心不全手帳、オンラインで繋がる健康体操など、様々な形で取り組んでいます。 
私たちは、テクノロジーと人の温かさを融合させた新しいケアを通じて、患者さん一人ひとりの暮らしを支え、地域の皆さまと共に健康で安心できる未来を築いていきたいと思います。 

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訪問リハビリテーション部 理学療法士
久司

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