健康診断で血圧高値を指摘されているのに、そのまま放置されていませんか?

のぞみハートクリニック2025年10月30日

「最近、疲れやすい」「頭痛がする」ー。そんな不調を感じられたことはありませんか?
もしかすると、それは「高血圧」のサインかもしれません。 
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれることがあって、自覚症状がほとんどありません。過去に健康診断などで血圧が高いことを指摘されていませんか? 
今回は、見逃しがちな高血圧のサインと、その対策についてお話しします。 

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高血圧とは? 

2025年8月に日本高血圧学会から高血圧に関するガイドラインが改定・発信されました(『高血圧管理・治療ガイドライン2025』:JSH2025)。以下はそのガイドラインの冊子からの引用になります。 

病院や健診施設などで測定した血圧値(診察室血圧)が、収縮期血圧140mmHg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)を高血圧と定義しています。 

高血圧は、脳心血管病の最大の危険因子と言われています。さらに、若い方の方が高血圧の持続による脳心血管病や慢性腎不全発症の生涯リスクが高いことが報告されています。 

 

高血圧のサイン 

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前述のように高血圧は自覚症状がほとんどありません。しかし、以下のような症状を自覚された場合、血圧が高いかどうか調べてみることをお勧めします。 

  • 頭痛 

一時的な不調と見逃されがちですが、血圧の上昇が原因のこともあります。 

 

  • めまいやふらつき 

急に立ち上がったときのめまいや、ふらつきを感じることがあります。血圧の変動が原因かも知れません。 

 

  • 動悸や息切れ 

階段を上るときに以前より息切れしやすい、動悸を感じることが増えたという場合も注意が必要です。 

 

  • 耳鳴り 

血圧の変動により生じることがあります。 

 

  • 疲労感 

継続的な疲労感は持続的な高血圧により心臓や血管に負担がかかっている可能性も。 

 

高血圧管理・治療ガイドラインでは、診察室血圧が140/90mmHg以上の場合、あるいは家庭血圧を5日間以上測定した平均値が135/85mmHg以上の場合は、医療機関を受診することを推奨しています。 

 

高血圧の素因となる危険因子について 

以下のような条件に当てはまる方は、高血圧になるリスクが高いと言われています。 

  • 家族歴: 両親や兄弟姉妹に高血圧の人がいる 
  • 肥満: BMIが25以上 
  • 運動不足: 日常的に運動習慣がない 
  • 塩分の摂りすぎ: 日本人は塩分摂取量が多い 
  • 喫煙: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させる 
  • 過度の飲酒: アルコールの摂りすぎも高血圧の原因に 
  • ストレス: 慢性的なストレスは血圧を上昇させる 

 

今日からできる高血圧対策 

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  • 定期的な血圧測定

まずは自分の血圧を知ることが第一歩です。家庭用血圧計を用意して、毎日同じ時間に測定する習慣をつけましょう。朝と夜、毎日同じ時間に2回ずつ測定するのが理想的です。 

 

  • 減塩を心がける

日本人の平均塩分摂取量は1日約10gと言われていますが、目標は6g未満です。加工食品の摂りすぎに注意して、外食を控え、薄味に慣れることが大切です。 

 

  • バランスの良い食事

野菜や果物、魚を中心とした食事を心がけましょう。 

 

  • 適度な運動

ウォーキングなどの有酸素運動を毎日、30分以上実施することが推奨されています。 

 

  • 体重管理

肥満は高血圧の原因となり得ます。適正体重を維持するよう心がけましょう。 

 

  • 禁煙・節酒

タバコは百害あって一利なしと言われています。加熱式タバコなら大丈夫と思われている方もいらっしゃいますが、これの使用による血圧上昇・脈拍増加や動脈弾性低下などが報告されています。また、飲酒についても、アルコールを長期に摂取し続けると血圧は上昇すると言われています。飲酒に関して、高血圧の管理においては、エタノールで男性約20~30ml/日(おおよそ日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯に相当)、女性はその半分の約10~20ml/日以下に制限することが勧められています。 

 

  • ストレス管理

十分な睡眠をとり、リラックスする時間を持つことも重要です。趣味や運動でストレスを発散しましょう。 

 

高血圧は自覚症状が少ないからこそ、定期的なチェックと予防が何より大切です。放置すれば、取り返しのつかない病気につながる可能性があります。 今日から、まずはご自身の血圧を測ることから始めてみませんか? そして、生活習慣を少しずつ改善していくことで、健康な血管を保ち、元気に長生きできる体づくりを目指しましょう。 

 

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監修 
のぞみハートクリニック  院長
岡田 健一郎 (高血圧専門医) 

 

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