YUMINOのひと - 医師 小出雅雄 -
ー「YUMINOのひと」第3回は、のぞみハートクリニック 医師 小出雅雄 ー
新大阪駅徒歩4分の地に、外来診療と訪問診療、訪問リハビリテーションを行う「のぞみハートクリニック」があります。なかでも、24時間365日体制で地域の患者さんをサポートする訪問診療。そこで皆を引っ張り、チームの士気を上げる在宅診療部部長の小出医師にお話をうかがいました。
- 小出先生は大阪ご出身ですか?
- 大阪生まれ、大阪育ちやで。
- コテコテですね。先生はもともと急性期病院で働かれていたんですよね。
- 病院では救命センターに搬送されてくるような患者さんのカテーテル治療や心不全治療などといった急性期治療に携わっていました。運ばれてきて、入院して、退院してまたすぐ帰ってくる患者さんを日々目の当たりにしていて、担っている急性期の先に医療がどうつながっているのか見えない葛藤がありました。再入院を防ぐために家まで見に行きたいと思ったこともありましたが、その手段がありませんでした。
- そんな思いから「訪問診療」への興味が湧いたんですか?
- 病院にいるときは、訪問診療という選択肢は頭に浮かびませんでした。そんな選択肢があることを知らなかった。'退院したら、外来に通院する'そういうものだと思っていました。そんな時に、弓野先生の学会の講演で訪問診療を知って、訪問診療の現場に行けば、患者さんの生活に根差した医療ができるのでは、と感じました。
- それでゆみのでの訪問診療を始めたんですね。
- 急性期病院には急性期の役割があって、訪問診療には地域の役割がある。その2つをつなぐ医療ができればと、酔っぱらった勢いで東京に出てきました(笑)心不全は患者さん自身では気づかないような生活習慣が悪化の要因となる可能性があり、薬だけではよくならない場合があります。訪問看護師さん、リハビリ、ケアマネさんなどの地域と連携して、家族やそれまでの患者さんの人生を知ることが治療に繋がるんです。直接生活を見ることができるのは、心不全治療にとって重要だと考えています。
- のぞみハートクリニック(大阪)へ移るまでの、東京での2年間はどうでした?
- 東京もんに負けてたまるか!って出てきたんですけど(笑)、実際は居心地のいい2年間で、家族とも楽しく過ごさせてもらいました。東京も悪くなかったですね~
- 病院での医療から転身、訪問診療をスタートして、難しいことはありませんでしたか?
- 訪問診療は、「外来で行っていることを在宅で行っている感覚」に近い。本来ならば入院しているような患者さんを家で診る、ちょうど入院と外来の間といった感じです。循環器が専門で、広く内科として患者さんを診る経験を積んできていたつもりでしたが、癌の終末期や褥瘡、内分泌疾患、精神疾患など在宅では多くのことへの対応が求められます。常に勉強して知識を増やしていく必要がありますし、他の先生方に相談したり、看護師さんなど他のスタッフにもよく助けてもらいます。
- ゆみのの医師に特徴はありますか?
- 患者さんに優しい先生ばかり。あと、病院にいたら他職種とチームワークよく働けるタイプかな。在宅の先生は、判断が必要とされるときに、病気だけではなくてその人の人生を考えた上で、どの治療を選択するかが求められます。0か1かではなく、何通りも患者さんに合わせた判断。それができる先生たちです。
- 今後、地域において訪問診療の重要性は高まりますか?
- まだまだ一般的には「何かあった時は病院、救急車」という意識があるけれど、これからは「何あった時はかかりつけ医」という意識に変えていきたいですね。コロナもあって、簡単には入院できなかったり、高齢者が入院する事自体のリスクもあると思う。層の厚い熟練した医師がいる訪問診療クリニックを拡げることが、その解決策になると思っています。
- さいごに、小出先生が患者さんと向き合うとき、大切にしていることは?
- 「自分の親だったら?身内だったら?」という目線ですね。病気だけで判断せずに、その先を想像したときに、その患者さんや家族にとって最善の選択はなにか。それは常に頭に置いています。また、提案する治療がどんなものであるか、新しい治療方法はないかといった知識も常に学び続けるようにしています。患者さんを診始めたら、最期まで診てあげたい。訪問診療はそれを叶えられる現場です。
ーーー 施設・訪問診療 見学会 ーーー
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