いびきの音 vs CPAPの音

臨床検査2020年03月03日

日本人男性のいびきの有病率は約20%といわれており、いびきの騒音に悩むベッドパートナーの方も多いと思われます。また、いびきと睡眠時無呼吸症候群は密接な関係があり、CPAP治療を行いますが、外来で新規に睡眠時無呼吸症と診断された患者さんからCPAP治療に伴う騒音について質問がありましたので、今回いびきとCPAPに関する騒音についてまとめてみました。

いびきの騒音は50-60デシベルと繁華街の騒音と同等で、いびきの大きい人は80デシベルで犬の鳴き声と同等とされ騒音公害としてベッドパートナーの睡眠障害だけでなく人間関係にも支障をきたすことが容易に想像されます。

いびきは睡眠時無呼吸と密接な関係があるとされていますが(いびきの大きな人の70%に無呼吸があり、逆に睡眠時無呼吸症候群の人の90%以上にいびきあり)、必ずしも自覚症状があるわけでは無いため、ベッドパートナーからいびきと無呼吸を指摘されてクリニックを受診され診断・治療に至ることが多いのも特徴です。

また、睡眠時無呼吸の問題点としては、眠気や熟睡感欠如などのQOLの問題だけでなく、高血圧などの生活習慣病や将来的な動脈硬化疾患や心不全などの心血管疾患の一因ともなるため治療介入が必要です。

睡眠時無呼吸の治療に関してはCPAPがゴールドスタンダードですが、原理としては寝ている間の上気道の虚脱による無呼吸を防ぐために圧をかけて気道を開存させます。CPAP装置からあらかじめ設定した圧力で鼻に装着したマスクにチューブを伝って空気が送り込まれます。その際に装置から出る騒音が患者さんのベッドパートナーの新たな騒音公害となることを懸念されての質問でした。

CPAPは複数のメーカーから販売され、装置やマスクも年々改良されており、驚くほどコンパクトで静音設計がされています。

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マスクの形状も複数あり装着感や快適性で選ぶことができます。

CPAP使用中の騒音は25.8デシベルとささやきと同等で静音設計がされており、ベッドパートナーの安眠を妨げることなく快適に治療が行えます。実際にCPAP治療前後でベッドパートナーのQOLや人間関係が改善したことが報告されています。

いびきに悩まされている方がいらっしゃるようでしたら是非検査を勧めてみてください。

 

画像提供:株式会社フィリップス・ジャパン

芹澤直紀

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